心の旅人 第2章 春 2000年春 A.T.Fo.Evertail著 (並丁版)

 

 

きみは、入学式を覚えているかい?

さくらふぶきの中を、
ふたりっきりでかけぬけた、
あのなみきみちのことを。。。

きょうもまた、入学式。。。

さくらってさ、
さくらってさ、
ちょとこわいね。

きれいなんだけど、
きれいなんだけれどさ。
 

  僕は、旅を続ける。
誰にも見えない心の旅人。

でも、
菜の花には、
気が付かれたらしい。。。

いや、
ちょっと気が付いてほしかったんだ。

おおきなさくらに
また
であった。

やあ、元気だね。
よかった。

そおか、眠れないのか。
多くの人に囲まれて、
多くの光に囲まれて、

静かに立ち去る。
またね、きっとね。

 

ん?

君にも僕が見えるの?

目があった瞬間、
君は確かに僕が見えたんだね。

静かに、列車の扉がしまり、
無人の駅に、また、きみと
ふたりぼっち。

夏に向かって。

第2章 春 終わり 

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